シロテテナガザルの発達検査   No10  00/09/03(Sun) 9:00〜11:00 2歳6ヶ月齢

2学期の初めで、これから学校祭のため忙しいので、今日おじゃました。
さくらの妹がずいぶん人になれていた。ただし、女性と子どもにだけ。
大人の男性には警戒して近寄らない。園長さんは、おかまならどうするか、試してみる意向だ。
つまり、さくら妹が、何で男と女を区別しているのかを調べようということ。

さくらは園長さんに腕鉄棒をしてもらっていた。園長さんの腕にぶら下がり、腕を振ってもらった反動で木に飛び移るという遊び。
面白がって何回でもせがんでいた。私もやってみたら、上手に飛び移った。さくらはのびのびと育っている。

さくら腕鉄棒.jpg (18967 バイト) こうやって腕を振ってもらって、右手にある木に飛び移る

水飲み容器の中に頭をつっこむ。


マラカスをキャッチし足でつかんで振る。 

さて、今回はこれまでの検査の細部を確認することを目的にした。

<さくら(2歳7カ月齢)の検査>
@ものを無意識に手から離すのか、意識して置くのか?
積み木でもがらがらでも、手につかんでかじっている時に別のものを見せると、すぐ持っているものを手から離し(落とし)て、取りにくる。
この時の様子を詳しく観察した。
すると、どんな場合でも、ものを手放す時、それを見ながら(意識して)置いている(投げる)ことがわかった。

ものを見ながら置く.jpg (17120 バイト) カスタネットを下に手放した瞬間

一見ポイと手放しているように見えるが、カスタネットを見ながら(意識して)下に置いている。

Aレーズンを見せ、それを椅子の上に置き、カップで隠したらどうするか?
カップをとり、レーズンをつまんで食べた。
レーズンをタオルで隠しても、同じくタオルを取り除いて食べた。
これは、レーズンが見えてなくても、レーズンのイメージが頭の中に残っていることを示している。

B前回(8/15)学習した、課題箱の穴に食べ物を(開いている方は見えないように反対側にして)入れたら、開いている横から手を入れて取り出すという操作がすぐにできるだろうか?
これは見事に覚えていた。
つまり、この操作は記憶していたということ。

課題箱の中のレーズンをとる.jpg (14225 バイト) こうやって、すぐに反対側の開いている方からレーズンを取り出す

C鏡での自己認知は本当にできないのか?
今回もおでこに赤いシールを貼って鏡を見せたが、気がつかず。
鏡ごしに、後ろからレーズンを見せたが、後ろにあるということがわからない。
ただ、うつっている自分の姿に親近感があるのか、じっと見つめたり、頬ずりしたり、舐めたりしていた。
興味を持って、あきずに鏡を見つめる。

Dペットボトルのミルクをストローで飲めるか?
これは、チンパンジーのハチミツなめのように、ペットボトルのミルクを、小さい穴からストローか割り箸をつっこんで舐めることができるかどうかという実験。これは無理だった。

ペットボトルのミルクを飲む.jpg (14878 バイト) ペットボトルのミルクを舐められるか? ペットボトルにミルク.jpg (13214 バイト) このように穴をあけて、ストローをさして見せたがダメ

Eもつれた紐をほどけるか?
検査中、紐がもつれたので、様子をみた。
見事にほどいて見せた。

もつれをほどく1.jpg (22755 バイト) もつれた紐 もつれをほどく2.jpg (23667 バイト) こうやってもつれをほどいた

<さくらの妹(1歳9カ月齢)>
@積み木
積み木を見せたら、すぐにつかみにくる。そして、口にくわえて木にぶら下がった。

積み木をくわえてぶら下がる.jpg (16405 バイト) 積み木をくわえてぶら下がる

これは、右手、左手、積み木と3つのものに注意がいっていることになる。

今日の検査はこれだけ。
幼稚園児くらいの小さな男の子がさくらの妹を抱いて、満足な表情をしていたのが印象的だった。この子は昨日も来ていたそうだ。人間の子どもにとっても、テナガの子どもにとってもこの触れ合いは有意義なものだ。

<京大霊長研訪問記>
8月24(木),25(金)と霊長研公開講座に参加した。
この時、霊長研でテナガを研究されているUさんに施設を案内してもらった。

newpag1.JPGraaa.JPG (24345 バイト) アジルテナガザルのつよしとUさん

アジルテナガザルの赤ちゃん、つよしとラジャ、かわいかった。
ただ、気になったのは、「首振り」。人工保育の場合に出るらしいが、人間のチック症状と同じではないかと感じた。さくらにはこれはない。
また、「ホワッ、ホワッ」という声を出していたのが印象的だった。さくらもさくらの妹もまだこの声を出さない。
モンキーセンターの各種テナガも見たが、それぞれのテナガで鳴き声が微妙に違うのが、面白かった。
ボルネオのダナンバレーとスカウで聞いた声(同じミューラーテナガザル)が微妙に違っていたことと重ねて考えると、テナガにも方言があるのかも。

シロテテナガザルの発達検査   No11    00/10/06(Sat) 15:40〜17:00 2歳7ヶ月齢

今回は、検査をするというより、さくらと遊ぼうという気持ちで動物園に行った。
土曜日の夕方だったが、あいかわらず、さくらのまわりには人が絶えない。
さくらは2歳8ヶ月齢。ちょっと娘らしくなってきた。

さくら顔アップ.jpg (18939 バイト) さくらの顔

@鏡
今回はまず、ニホンザルの子どもで鏡を試してみた。彼女は江梨子(2歳半)という。
鏡を見せると、しばらく警戒していたが、すぐ鏡に向かってパンチ、後ろ蹴りをかませた。

ニホンザル鏡にパンチ.jpg (19476 バイト) 江梨子のパンチ ニホンザル鏡にキック.jpg (13664 バイト) 鏡にけりをいれる

そのあと、さくらに鏡を見せると、いつものように、鏡の中の顔をじっくり見て、頬ずりした。

さくら鏡を見つめる.jpg (20198 バイト) 鏡とさくら

つまり、ニホンザルは鏡に映ったサルに対して警戒&敵対心を持ち、テナガは友好的関係を持とうとすることが分かった。
これまで、テナガは家族生活をして、なわばりを維持するために大声で鳴き、他の個体を排除する、というイメージがあったが、実はそうではなくて、他の家族とも、なわばりは維持しながら友好的に交流しているのでは?という疑問がわいてきた。
これは、ボルネオ現地で確かめなくてはならない課題だ。

A蓋つき容器
蓋つき容器に赤い積み木を入れて置き、どうするか反応を見た。
すると、左手で容器を持ち、右手で蓋をずらしてあけ、中の積み木を取った。ただし、蓋の取っ手を持つことはできない。

片手で支えながらフタを取る.jpg (12077 バイト) 左手で容器を持って右手で蓋を取る フタを取って中の積み木を取る.jpg (13432 バイト) そして、中の積み木を持つ

B積み木の持ち方
積み木の対向面を、親指と人差し指で挟んで持つことが確認できた。

積み木の対向面を持つ.jpg (19660 バイト) 右手の親指と人差し指で積み木の対向面を持つ

Cさくらの妹(1歳10ヶ月)は15歳以下の子どもか女性にしかなつかない
さくらの妹は、子どもと女性にしか抱かれない。男には警戒して近づかない。
先日、男性が女装して近づいたが、なつかなかったそうだ。
何によって、男と女を識別しているのだろうか?

さくら妹女性には抱かれる.jpg (19195 バイト) このように女性には抱かれる。抱いている女性の笑顔がいい

私が口をとんがらしてさくら妹の顔を見ると、彼女も同じように口をとんがらして、怒った顔をした。
人間も怒れば、こんな顔をするのでは?

さくら妹怒った顔.jpg (18042 バイト) さくら妹の怒った顔

彼女らと遊ぶのは楽しい。人間の原点を見ているから。

逆さづりでも両手を操作できる(2000/11/12)。さくら:2歳8ヶ月齢
 この場面の動画 

★積み木を置く(2000/11/12)。さくら:2歳8ヶ月齢
 
上記のシーン 

<補足>
園長さんの腕にぶら下がってブランコをしたり、お客さんの持っているものを取ったとき、園長さんに叱られるとすぐに取ったものを離したりする(指示がはいる)ところから、園長さんとさくらとの信頼関係がより深まっていることを感じた。
園長さんはじめ動物園の人達の愛情で、さくら達はのびのびと育っている。
お客さんは、動物園の人達の情熱や愛情を直に感じるから、よけいに動物と仲良くなれるのだろう。さくら達が抱きついてきたときのお客さんのうれしそうな顔を見ていると、これが動物園の本当の姿なのではないかと思った。

シロテテナガザルの発達検査   No12  00/11/12(Sun) 8:30〜10:00 2歳8ヶ月齢

先日11月3日(金)のABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」という番組にさくら妹が出演した。
テーマは『猿にかける青春』。内容は、以下のとおり。
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京都府のSくん(16)は小さいころから動物が好きで、動物に嫌われた経験がないが、福知山市動物園の触れ合いスペースに遊びに行ったときに、シロテテナガザルに嫌われてしまった。一緒に行った弟や女性には、おとなしく抱かれるのに、何度挑戦しても僕からは逃げてゆくため、どうにか抱けるようにして欲しいというもの。それで、Sくんは女装しておかまになって、何とか抱くことに成功!しかし本職のおかまはダメだった、というお話。
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この番組でのさくら妹の演技?が非常に受けて、翌日の土曜日には500人、翌々日の日曜日には1000人と、動物園がフィーバーしてしまった。
それで、さくら妹はついに?ヒトをえり好みしなくなり、誰でも抱きつくようになってしまった。

それから、11/3付読売新聞・京都版に私の記事が載った。

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2000.11.3(金)読売新聞・京都版の記事

◆高校教諭がテナガザル研究、国際シンポで発表へ
 福知山市土師新町、府立西舞鶴高教諭、井上陽一さん(47)(地学)が、同市動物園(同市猪崎)で飼育されているシロテテナガザルの知能などの発達程度を調べる実験を十か月間にわたって続け、その結果を九、十両日に愛知県犬山市内で開催される、大型類人猿の保護などをテーマにした「第三回国際サガ・シンポジウム」で展示発表する。テナガザルの研究は少なく、京大霊長類研究所(犬山市)の松沢哲郎教授は「大変貴重な報告」と評価している。
 テナガザルは人間でいえば、十か月程度までの発達段階とされる。専門家の研究対象はチンパンジーやオランウータンが多く、テナガザルの研究例は少ない。
 井上さんの研究対象となったのは「さくら」(雌、二歳)。鏡で自己認識出来るかを試した実験では、ニホンザルの場合、映った自分を敵と思い鏡を攻撃するのに対し、さくらは自分とは気づかないものの、擦り寄ってなめるなど親愛の情を示した。また、穴の開いた箱に積み木を入れたり、道具を使って離れたところの物を取ったりする行動は、何度やってみせてもまね出来ないでいる。
 井上さんが実験結果をインターネットで松沢教授に問い合わせたところ、「いずれもすでに海外で報告されている結果だが、テナガザルの研究は霊長類研究所でも昨年始まったばかりで、国際的にも例が少ない」と高く評価し、今回のシンポジウムで会場に写真や成果を展示するよう勧めてくれた。
 研究のきっかけは、授業の一環で同園をしばしば訪れていた井上さんが、さくらが人間の赤ちゃんのようなしぐさを見せるのに興味を持ったこと。養護学校教諭の妻・悦子さん(47)とともに、昨年十二月から始め、毎月一回、四、五項目程度調べた。
 井上さんは「成長につれて、鏡を見た時の反応や道具の使い方も変わってくるかもしれない。興味深く見守って行きたい」と話している。実験結果は井上さんのホームページでも公開されている。

読売新聞1103さくらと私.jpg (16907 バイト) 写真=「さくら」に鏡を見せて反応を確かめる井上さん(福知山市動物園で)

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これらマスコミが取り上げてくれたおかげで、福知山動物園でのテナガの存在価値が世間に認められたといえる。

11月12日。くもり時々晴れ。日曜日は人出が多そうなので、朝早くおじゃました。
たしかにさくら妹は私にもすぐ抱きついて離れなかった。先月とはえらい変わりようだ(先月は逃げ回っていた)。
大人の男に人見知りしなくなった。

<さくら弟での検査>
2000年1月21日生れのオス(9ヶ月齢)。実は、さくらもさくら妹も、追視(目の前の動くものを目で追うこと)ができないという結果が出ていた。
本当にできないのか確かめるために、檻にいる幼いさくら弟で檻の外から試してみた。すると、追視(左右の往復)ができた。
さくらとさくら妹が追視をできなかったのは、ある程度成長して、動くものに関心がなくなったためにできなかったのだと考えられる。

さくら弟.jpg (17949 バイト) さくらの弟(9ヶ月齢)と母親のとみこ

<さくらの検査>
サガ・シンポでの霊長研・打越さんの発表に刺激されて、同じような実験をやってみた。
それは、いろいろなオモチャやものを置いておいてそこにさくらを連れてくると、どういう行動をするか?ということ。
これまで検査に使ってきたものをいっぱい置いてみて、様子を見た。30分間。

さくらオモチャと遊ぶ.jpg (23490 バイト) このようにいっぱいものを置いてみて行動を観察した。

全部で40のものとかかわった。そのうち、3回以上さわったものは、モンチッチのぬいぐるみ(10回)、バネのようなおもちゃ(8回)、鏡(8回)、オートバイのおもちゃ(5回)、タオル(4回)、スポンジの黄色いボール(3回)、赤い積み木(3回)。
写真はバネ様のおもちゃで、これやモンチッチは両手でもてあそんだが、ほとんどのものは片手(左手が多かったが右手も使う)でさわった。そしてすぐ口にいれて噛んでみていた。鏡は地面に置いておいたが、上からのぞき込んで自分の顔を舐めていた(これってひょっとしてキスの起源?)。
全く関心を示さなかったものもいくつかあった。
モンチッチと鏡に強い関心を示すということは、同類の仲間との触れ合いを強く求めているということではないだろうか?
類人猿の特徴は、仲間との交流を求めるということ。これはつまりお互いのコミュニケーションを求めるということで、テナガの声もコミュニケーションの一つの手段(言語)ではないかと思われる。

それから、霊長研・友永さんの助言(同類同士の触れ合いが大切だという)に従い、この場にさくら妹を連れてきて、一緒につないで様子を見た。これも30分間。

さくらと妹.jpg (33687 バイト) さくら(左)と妹、じゃれて遊ぶ

二人ともあきずによく遊んだ。時には写真のようにとっくみあいをしていた。
バナナを2本置いてみると、さくらが2本とも取ったが、妹が取りに行くとすぐ1本落としたので、妹もありつけた(これは、私にはさくらがバナナを独占せずに、妹に分けてあげたように感じられた)。
しかし、さくらが先に食べ終ったところ、すぐ妹のバナナを取りにいって、妹が落とした食べかけのバナナを取って食べてしまった。

さくらバナナを取る.jpg (20038 バイト) さくらが妹の持っているバナナを取りにいくと、妹は持っていたバナナをポロッと落とし、さくらはそれを拾って食べた。さつき:1歳11ヶ月齢

この経過を見て、テナガがものをポロッと落とすのは、ものを手渡すということの前段階の操作ではないかと考えられた(しかし、野生のテナガは高い木の上に住んでいるので、ものを落とすということはもの放棄するということになるハズですね?)。
また、妹が地面のおもちゃを拾い上げると、すぐにさくらがそれをとりにちょっかいを出しにいった。しかし、妹がそれを落とすと、拾うということはなかった。
30分間ほとんど休みなしに遊んでいたが、どっちかというとさくらが妹をもてあそんでいた(ちょっとしたイジメ?)と言えるかもしれない。さくらの方が体が大きいので妹はかなわない。また、さくらは落ちているおもちゃなどにはほとんど関心を示さなかった。
この姉妹のじゃれあいを見て、うちの子ども達が小さい頃、兄弟で相撲や柔道遊びをしていたのを思い出した。それとそっくり。

ここで客が大勢来園してきたので、検査を終了した。

<第3回サガ・シンポジウム(2000.11.09(木)、10(金))の報告>

初めてこのようなサル関係のシンポに参加した。このシンポは「大型類人猿の研究・飼育・自然保護ー現状と未来ー」というテーマで3年前から実施されている。主催は京大霊長研。場所は犬山市駅前のフロイデ。
こういうテーマなので、研究者だけでなく、動物園や類人猿を実験動物として飼育している施設などの関係者が多く参加しておられた。

私は福知山市動物園でこの1年間やってきたテナガザルの発達検査についてポスター発表(プログラム詳細)した。私のポスターには、霊長研の方々以外にも京都市動物園や伊豆の動物園の方々、近畿大医学部の学生、地元市民の方、朝日新聞の記者など多様な人達に訪問していただいた。もちろん松沢さんに案内されてグドールさんも見え、ハローと声を掛けてもらったのだが、とっさに英語が出てこず説明できなかった。残念。英語はきっちりしゃべれるようになっておかないと本当に損だ。

さて、ポスター発表の要旨は以下のとおり。

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テナガの発達とヒトの発達を比較してみると、ヒトでは10ヶ月齢でできる項目が2歳齢のテナガでは、できるものとできないものとがあった。
例えば、器の中の積み木などを取り出すことはできたが、取りだしたものを入れたり、取ったフタを元に戻すなどのような定位的操作は確認できなかった。ただし、自分の体を鏡に押しつけたり、うつった自分の顔を舐めたり、人差し指で鐘舌をつついたりするなどの、物と物を関係づける活動の前駆的活動は認められた。このことは将来において定位的操作を行う可能性を示唆しているように思われる。
鏡での自己認識は認められなかったが、鏡にうつった姿には関心を抱き、すり寄っていったり舐めたりして飽かずに眺めていた。ニホンザルに鏡を見せたところ大変興奮し、蹴りを入れるなどして威嚇するすがたが見られた。ここにテナガザルの人間との類似する様子をみることができる。
手の届かないところにバナナを置き、近くに棒をおいて観察した。道具は使えず、やり方を見せても模倣ができなかった。しかし、手が届かないことが分かると無理に取ろうとせず、すぐにあきらめた(遠くから判断できる)。
課題箱の穴にバナナを入れると、最初は入れた穴に手を突っ込んで取ろうとしたがとれなかった。しかし、これを繰り返すうちに箱を回転させたりして試行錯誤した結果、別の所から取り出せるようになり、計6回目から後は確実にすぐ取り出せるようになった(学習した)。1ヶ月後同じことを試してみると、学習したことを記憶していて、入れたところを探ることはせず、別の取り出し口からすぐに取り出すことができた(記憶力がある)。
もつれた紐を自力でほどくことができる。
遊びをせがむ。腕ブランコをしてもらったことがよほど楽しかったのか、腕にぶら下がって遊びを要求するようになった。
動物園での客とのふれあいがテナガののびのびとした成長を促している。
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ポスター会場.jpg (15310 バイト) ポスター会場(左側パネルの一番手前のが私のパネル)

ポスター発表のあとはグドールさんの講演。その後、懇親会があり、その会場でグドールさんにサインをもらい、少しだけ話ができた。物静かでやさしい素敵な人だった。最後に握手もした。感激!

グドールさんと二人で.jpg (21099 バイト) グドールさんとツーショット。

サインしてもらった本は「森の旅人」(角川21世紀叢書)。自叙伝なので、彼女を理解するのに最適の本の一つと言えるだろう。
サインには、「Together we can make a difference.」と書いてあった。
これは、「私達はいっしょに(チンパンジーもヒトも他の動物たちも共に幸せに生きられる世界への)変革を創り出す事業に参加することができますね」、といったような意味でしょうか。

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